新刊情報:瀧口美香『カラー版 キリスト教美術史』(中公新書)

ちょっとご紹介するのが遅くなってしまったのですが、明治大学大学院教養デザイン科准教授の瀧口美香先生が中公新書から『カラー版 キリスト教美術史』を出されました。

普通のキリスト教美術史本だと初期キリスト教美術のあとは西欧のカロリング美術、ロマネスク~と流れて行ってしまい、ビザンティン美術は初期に含めて紹介するか、おまけ程度にラヴェンナ、コンスタンティノープル、アトス山あたりのをちらっと紹介する程度のものが多いのですが(これがさらに「キリスト教」が取れると壊滅的に記述が減る)、瀧口先生のご専門はビザンティン美術史ということで、1章まるっとビザンティン美術に割いています。美術系の本でマケドニア朝・コムネノス朝に言及するのも珍しい気がします。

キリスト教美術史 -瀧口美香 著|新書|中央公論新社
ローマ帝国時代、信仰表明や葬礼を目的として成立したキリスト教美術。四世紀末に帝国は東西分裂し、やがて二つの大きな潮流が生まれる。一方は、一〇〇〇年にわたって不変の様式美を誇ったビザンティン美術。他方は、ロマネスク、ゴシック、ルネサンス、バロックと変革を続けたローマ・カトリックの美術である。本書は、壮大なキリスト教美術の...

 

コメント